住宅価格の二極化が進んでいます。あの住宅評論家 長嶋修氏は、三極化まで言っています!
超都心の一等地とあとは、普通の価格の土地エリアと さらに超郊外のエリアと
高騰するエリアと全く変わらないエリアと、ますます利用者がなく下落するエリア
この流れは、あと3年ぐらい続くだろうと読んでいます
都心では、高所得者層の購買意欲で値上がりが続く一方、近郊では減速が顕著です。中低所得者層が購入を控え、持ち家を売却する動きもあります。経済回復の進み方が上下に開く「K字型」の兆候が住宅価格にも表れています。
「値下げ交渉の余地はなく即決しました」。30代の共働き夫婦は都心で築4年の中古分譲マンションを購入します。8800万円と新築時より2000万円近く高いが希望者は多いからです。「株式投資で増えた蓄えもあるから」と購入を決めました。
また、リモートワークもありますが、会社に近いエリアでも検討していたので、決断しました、永住思考でなく、半分は投資で考えて都心エリアであれば、資産が上昇するかもしれなと思ったそうです。
大都市圏で高額な住宅が売れています。国土交通省が公開する不動産の個別取引データ約53万件を独自に分析したところ、都心で価格の上昇が著しい様子が浮き彫りになっています。東京の人気の港区や千代田区では20年4~9月の住宅1坪あたりの取引価格の伸びが10%超と、過去5年平均の2倍に達しました。都心7区と呼ばれている区でも、価格の伸びが目立っています
我々不動産業者でも追いつけないほどの価格が伸びています
例えば、中央区でも築20年ぐいらの 40平米1LDKの物件が、去年まで4000万円ぐらいの価格が現在は、4500万から5000万円ぐらいの取引価格になっております
金額を同じすると、10平米ぐらい狭い面積になってしまいます
全体を見渡せば状況は違います。全国平均の取引価格は、前年同期比で6.2%下がっています。件数は14%減となりコロナ禍の影響が重くのしかかる状況です。
「普通の生活が一変した」。都内の飲食店に勤めていた40代の浦上直也さん(仮名)は、政府の緊急事態宣言で2020年3月から2カ月ほど出勤できない日が続き、給与が半減した後に退職しました。月10万円超の住宅ローンが払えず家を売った。職はまだ決まらず買い戻しの見通しは立たないままでいます。
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家計が厳しくなり家を手放す人は増えています。住宅の任意売却を仲介するナレッジ画像を挿入パートナー(東京・渋谷)の相談件数はコロナ拡大前より3~5割増加した。昨年からは飲食やサービス業で働く人の相談が一気に増えたといいます。
総務省の家計調査で持ち家比率を計算すると、特に低所得者層の低下が顕著です。年収200万~250万円の世帯は60.3%と19年から7ポイント低下した。200万円未満は53.2%と16ポイントも落ち込んでいます。
中所得者層では新規購入をためらう人も多いです。台東区や墨田区は都心に近くコロナ以前は住宅価格が年7~8%で伸びていたが、直近は2%弱のマイナスです。「在宅勤務の定着で、遠くても割安な家に買い替える人が増えた」(大手住宅情報サイトLIFULLの中山登志朗氏)ため、調布市や多摩市などの郊外では上昇している地域もあります。(都心エリアに私鉄で一本で行ける距離)
住宅価格の変化の背景にあるのは格差の拡大です。一部上場の大企業に勤める高所得者層は、コロナ禍でも賃金が安定し、仮想通貨や株価の上昇で保有している資産価値が増える恩恵も受けています。
一方、コロナ禍が長引く中、飲食・ホテルなどサービス業で働く人や非正規雇用の人たちなどは失業や収入減に追い込まれやすく、厳しい環境が続きます。都心部の高価格帯のマンションが値上がりし、近郊の低価格の戸建ては需要が減少して値下がりする。こうした「K字型」に動く住宅価格は、所得格差の広がりの一端を映します。
海外でも同様の例は多いです。韓国ではソウルのマンション価格が3月に平均11億ウォン(約1億円)と5年前の約2倍に跳ね上がった。マンションの所有が事実上、富裕層に限られることに不満が高まります。
米国では20年に住宅価格が前年比9.3%上昇した。米シンクタンクのアーバン・インスティテュートは、40年までに持ち家比率が62%と現在より3ポイント下がると予測します。今の若年層や黒人などで経済的に不利な立場にある人たちの購入が減るためといいます。
住宅価格の二極化について早稲田大学の橋本健二教授は「地域間の格差拡大にもつながる」と懸念します。都心部に高所得者層が集まり、中低所得者層が都心部から離れる動きが加速すれば「地域間で税収差が開き、行政サービスや教育水準に差が出る」ためだと言っています。コロナ後をにらんだ政策には格差の固定を回避する視点が欠かせないです。
住宅価格、投資マネーも底上げ
東京都や大阪府などの大都市中心部で住宅が値上がりする背景には、高所得者層やファンド(企業)マネーが、投資目的の購入を増やしていることもあります。特に東京都心の一等地のマンションに国内外から投資マネーが流れ込むます。
2021年1月、東京の人気エリアの渋谷区広尾で売り出された投資用マンション38戸が1カ月で売り切れました。ワンルーム(約25㎡)中心で価格は、1戸5200万~8680万円。購入者の年収は1000万円以上が9割を占め、すべて賃貸収入や節税を目当てにした投資です。開発・販売したトーシンパートナーズ(東京都武蔵野市)の千代谷直之社長は「想定の2倍の速さで完売した」と話します。
国土交通省のデータから計算すると、住宅1坪あたりの平均取引価格は都心部で上昇が目立つ。千代田区では2020年4~9月には前年同期比13.1%、港区で同10.9%上がっています。千代谷社長は「好立地の物件の価格はまだ上がるだろう」とみます。