上瀬谷通信施設跡地(横浜市瀬谷区、旭区)でのテーマパーク開発構想を巡り、相鉄ホールディングス(HD、同市西区)が断念した開発の検討を、三菱地所(東京都)が新たに進めていくことが「カナコロ」のニュースで掲載されました。
三菱地は他企業と連携して構想の具体化を急ぎ、2027年以降の開業を目指すとの事。
記事によるとによると、三菱地は今月、跡地の民間地権者約240人でつくる「まちづくり協議会」の要請を受け、相鉄HDが担っていたテーマパーク開発の検討主体を事実上、引き継いだそうです。
以下は「ヨコハマ経済新聞」より引用。
国土交通省と農林水産省は6月22日、国際園芸博覧会(花博)の2027(令和9)年に横浜市での開催に向けて、国際博覧会に関する条約上の手続を進めると発表した。
横浜市での園芸博は、旭区・瀬谷区にまたがる米軍施設跡地「旧上瀬谷通信施設」(約242ヘクタール)を会場に、「幸せを創る明日の風景(Scenery of The Future for Happiness)」をテーマに開催。
会期は2027年3月~9月を予定し、参加者の見込みはICT活用などの多様な参加形態を含んで約1500万人。
博覧会区域は約100ヘクタール。会場建設費は約320億円で、国や横浜市、民間が負担する。運営費は360億円で、収入として入場料、物販収入等を見込む。
国際園芸博覧会は、国際的な園芸・造園の振興や花と緑のあふれる暮らしの創造などを目的に開催。国際園芸博覧会の開催を招致する横浜市からの提案を踏まえ、農林水産省と国土交通省が有識者からなる検討会を設置し、検討を進めてきた。政府は22日に、各国政府で構成される博覧会国際事務局への認定申請を閣議了解した。
花博の開催意義として、Society5.0の展開、グリーンインフラの実装、花き園芸文化の振興等を通じた農業・農村の活性化、観光立国や地方創生の推進、通信施設跡地の返還とまちづくりをあげている。
国際園芸博覧会は、国際園芸家協会の承認により、花や緑を通した健康と福祉、環境の向上、経済強化などを目的に開催されるもので、中でも世界園芸博覧会(A1クラス)は、博覧会国際事務局の認定により、国が開催する国際博覧会(認定博)として位置付けられる。国内での世界園芸博覧会としては、1990(平成2)年の「国際花と緑の博覧会」(大阪花の万博)がある。
今後、博覧会国際事務局の認定のための申請を行う。
政府は、横浜市における国際園芸博覧会については、2027(令和9)年に開催すると閣議で決定。国際博覧会に関する条約上の手続を進めていく。開催の目的は、気候変動等の世界的な環境変化を踏まえ、我が国が培ってきた自然との関係性の中で、自然環境が持つ多様な機能を暮らしにいかす知恵や文化について、その価値を再評価し、持続可能な社会の形成に活用するとともに、国際的な園芸文化の普及、花と緑があふれ農が身近にある豊かな暮らしの実現、多様な主体の参画等により幸福感が深まる社会を創造すること。
https://www.hamakei.com/headline/11409/
以下は朝日新聞から引用。
【神奈川】横浜市西部に広がる米軍施設跡地で、テーマパーク誘致の検討が続けられている。市が昨年3月に計画で示した将来的な跡地の集客目標は、東京ディズニーランド(千葉県、TDL)並みの年間1500万人。だがそれから1年以上経っても、具体像は明らかにならず、計画は暗礁に乗り上げているとみられる。
テーマパーク誘致が検討されているのは、横浜市瀬谷、旭区にまたがる米軍上瀬谷通信施設跡地。東京ドーム52個分に当たる約242ヘクタールの広大な土地だ。南北に貫く通称「海軍道路」(環状4号線)を歩くと、桜並木の両脇に青々とした草原や、焦げ茶の畑地が遠くまで広がる。
林文子市長は2019年12月、ここに「テーマパークを核とした複合的な集客施設の誘致を想定している」と明かした。約125ヘクタールを「観光・にぎわいゾーン」として開発する。昨年3月に土地利用基本計画として正式決定し、将来の跡地全体の訪問者数を「年間1500万人」と掲げた。
テーマパークの検討を主体的に進めているのは、「まちづくり協議会」という民間地権者約250人でつくる組織だ。
協議会は19年10月、横浜市に本社を置く相鉄ホールディングス(HD)を「検討パートナー」に選んだ。相鉄HDが実質的にテーマパーク誘致をめぐる交渉を担っているとみられる。
相鉄HDは検討パートナー選定に先立つ19年春、地権者らにテーマパーク誘致を提案している。朝日新聞が入手した協議会での説明資料では、「テーマパークを核とした観光開発」が自社の「ベスト案」と強くアピールした。
海外調査機関の調査結果として、居住人口や観光客が多い首都圏の市場規模などから、「超大型テーマパーク」の実現可能性があると言及。「超大型」の具体例としてTDLやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)などを挙げた。
コロナ禍前の入園者数が年間1500万人以上とされるTDLは、テーマパークエリアが約50ヘクタール。「観光・にぎわいゾーン」はその2倍以上の広さがある。
市も独自に検討し、大規模テーマパークを中心に年間1500万人の集客が十分可能と判断したという。
だが、市や相鉄HDの当初のもくろみ通りにいかなかった可能性が高い。
関係者への取材を総合すると、相鉄HDは水面下で米大手映画会社と共同事業を目指して交渉したが、20年春に不調に終わった。1千億円規模ともされる投資への合意が得られなかったとみられる。
その後も複数の事業者と協議し、テーマパークを含めた複合的な集客施設の検討を続けているが、「超大型」の実現は困難になったとみられる。コロナ禍で事業者や相鉄HD自身の経営が悪化したことも影響を及ぼしているようだ。
地権者の多くは、検討の詳細を知らされていないとみられ、「我々が考えていたものとは、微妙に違ったものになってきたと感じる」との声が上がる。
だが、市は「年間1500万人は見込める」との立場を変えておらず、平原敏英副市長は朝日新聞の取材に「時間がかかっているのは事実だが、検討は進んでいる。公表できる時期が来れば公表する」と話す。
一方、まちづくり協議会の幹部は「取材には応じかねる」、相鉄グループの広報担当は「協議会への提案内容はお答えできない」としている。
テーマパークの具体像がいつ、どのように示されるかははっきりしない。(武井宏之)
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旧日本海軍の施設を終戦直後に米軍が接収。いったん解除されたが1951年に再び接収され、米海軍の通信施設として使われた。
2015年6月に日本側に返還。面積は約242ヘクタールで、防衛省南関東防衛局によると、平成以降に全国で全面返還された米軍施設で最も大きい。民有地が約45%、国有地が約45%、残りを市有地が占める。
市は昨年3月、土地利用基本計画をつくり、「郊外部の新たな活性化拠点」として開発することを決めた。農業振興(約50ヘクタール)、観光・にぎわい(約125ヘクタール)、物流(約15ヘクタール)、公園・防災(約50ヘクタール)の4ゾーンを設定している。
https://www.asahi.com/articles/ASP4P6WMYP4KULOB00Z.html