不動産経済研究所の発表によると2月の首都圏の新築マンション販売は、
発売戸数2,243戸(前年同月比50.7%増)
1戸あたり価格6,380万円(前年同月比2.4%ダウン)
契約率76.0%(前年同月比16.7ポイントアップ)
とのことです。
発売戸数の大幅増に関しては、2020年2月が一昨年に比べ大幅に減少していただけの話で、それ以前の3年間で言うと2月は2,300~2,400戸という水準ですので平年並に戻った感じになります。
ただ、一方で着目すべきは近年においては非常に高い契約率でしょう。
2020年4月の78.9%があるので凄く久しぶりの水準というわけではないものの、それ以前の76%超となると2016年12月であり、その2020年4月は、コロナ直撃の緊急事態宣言下の例外的な数字(多くの物件でモデルルームは閉鎖し発売戸数は急減。発売はどうしても今買わなければならないというような方がいるケースがほとんどだったため契約率の上昇は必然)でしたので2021年2月の76%は本当の意味での久々の“好調“という印象になります。
この2月も再度の緊急事態宣言下ではあるものの、2020年4~6月とは異なりモデルルームは営業していますし発売戸数からしても発売を自粛している感じはないです。
在庫数に関しても2021年1月に比べ601戸減少していることからも需要の強さが窺えますし、2021年の2月末は2020年2月末時点の8,166戸を下回る7,891戸ですので、普通にここ数年の売れ行き不振はどこ吹く風な状況になっていますね…。(需要があります)
コロナ禍で本来は、分譲(販売)される予定だったマンションが一棟売りなどとして賃貸になるなど(中には青田売りだったものも完成売りに変更し販売を遅らせているケースもあるでしょう)供給が減っているのは、先日の2020年全国マンション市場動向の記事などでも書いている通りで、コロナ禍で供給が著しく減ったこと(調整されたこと)であっという間に市況が回復(?)したように感じます。
消費者側からすると少々納得しづらいところがあるのですが(もともと大して人気ない商品が自ら生産を減らすことで数が少ないことを演出し、さも人気商品として売っていたら腹立ちますよね。汗)、少なくとも2021年2月に関しては普通に平年通りのしっかりとした戸数が発売されていますし、引き合いも強い状況にあるのは歴とした事実ですので価格が高止まりし続けるのは当然のことではあるでしょうね。
平均価格は、2020年同月比では3か月連続の下落という形にはなりますが、平均価格6,380万円という水準は2020年6月以来の高値ですし、ここ2~3年の横ばい相場下の“レンジ内の上限水準(イレギュラーな数字となった2020年1月を除く)“ですので、むしろ強さが窺えます。
ただ、前月・前々月の5,000万円台から大きく上昇しているのはシンプルに相対的に高額物件の多い都区部比率が高かったことが多分に影響しており(前月・前々月は3割ほどだったが、今月は約47%)、今月の数字で着目すべきは価格云々ではなく都区部(都心7区)の好調な数字の方でしょうね。
都区部は、契約率自体も8割を超えており、前月・前々月の反動がきれいに出た形になります。コロナ禍で郊外人気との報道も少なくありませんが、元々都心部の引き合いが弱まっている感じはしていなかったので当然の結果でしょう。
一方で都下や千葉県、埼玉県、神奈川県は、昨今好調だった反動が若干感じられますかね。
神奈川県だけは前年同月比約132%増の777戸、かつ、契約率も76.2%とかなり好調なのですが、他は低調です。千葉県は前年同月で109%増ですが戸数は196戸に過ぎませんし、契約率も57.7%と非常に低い結果、また、都下と埼玉県の発売戸数は前年同月比での大きく減少しています。(30年前から、千葉、埼玉県は戸建て人気エリアなので、分譲マンションの人気は無いです)
なお、恒例の億ション比率は約6.5%ということで都区部のシェアが高かったなりの高めの水準ですね。
ちなみに、2月の主な供給物件としては、ザ・パークハウス駒沢レジデンス(三菱地所) ブランズシティ本郷台(東急不動産)、お騒がせのパークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンス(三井不動産)あたりが挙げられるでしょうか。
続けて中古市場についても言及しておきましょう。レインズマーケットウォッチの月例速報によると、
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,587件(前年同月比-4.3%)(売る方が減っています)
57.67万円/㎡(前年同月比+5.3%)
3,775万円(前年同月比+5.7%)(申し込みが、重なるため満額取引が増えています)
専有面積65.46㎡(前年同月比+0.3%)
築年数21.94年(前年同月21.71年)
先月(件数増加×価格上昇)とは異なり、件数が前年同月比で減少する中での価格上昇ということで依然として“コロナ禍での供給減(新規登録物件の減少)“が響いていると感じる歪んだ状態にあると思います。(どんどん出物がなくなっています)
価格は、前年同月比ではもちろんのこと、前月比でも気持ち上昇しており、依然としてかなり強い状況にあると言えます。
一方で、中古戸建は前月同様の大活況下にあり、前月(成約件数は37%増、価格は+4.7%上昇)に匹敵する成約件数22.8%増、価格+6.5%上昇という凄い数字が記録されています。
戸建の成約件数は1月に続き2021年2月も1990年の機構発足以降過去最高(1月はマンションも過去最高でした)ということで、コロナ禍で新築分譲マンションの供給が減った分の需要が、マンションに限らず戸建も含む中古へ流れているのは紛れもない事実ですね。
前月の記事でも言及しましたが、価格上昇の度合いは新築に比べ中古の方がやはり大きくなっており、中古は一時的な供給不足(内見などを考えるとコロナ禍でわざわざ売りに出そうという方が減っている)により価格の歪みが少なからず感じられるので引き続き注意が必要な状況(価格を慎重に吟味すべき状況)にあると思います。
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