都心中古マンション初の1億2000万円台 17ヶ月連続上昇中 (日本経済新聞より)
2024-07-24
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が2024年7月24日発表した6月の中古マンション平均希望売り出し価格は、東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で前月比1.1%高い70平方メートルあたり1億2058万円でした。(坪569万円)17カ月連続の上昇となり、1億2000万円台に達したのは2004年1月の調査開始以降初めてで過去最高となります。シングル世代の45平方メートルぐらいの広さで、7,745万円です。
調査は専有面積30平方メートル未満の住戸や事務所・店舗用を除く、ファミリータイプが対象です。
円安を背景にした海外からや株高などを受けた国内の投資マネー流入が続き、都心の中古マンション価格が上昇しています。東京の幅広い地域でも取引が堅調で、東京23区は前月比1.2%高の7475万円でした。
新築マンションの価格上昇に伴い、都心の中古マンションの引き合いは強いです。なぜ引き合いが強くなっているのか。それは、新築マンションの供給が
少ないので、希望が多く抽選とかなるので買えるかわからない点。また、建築現場の時間外労働の制限で工期が伸びているので、完成に時間がかかるのがネックになっています。そこで、中古ならば現物が見れて、気に入れば買える点が好まれていると感じます。現在、駅前の土地がないので、新築物件が建てられません。新築を探すとなると、再開発エリアか広大な敷地がある埋め立て地になってくるので、以前倉庫か工場があった湾岸エリアになってしまいます。どうしても価格が高めになってしまいます。埋め立てた分だけ基本的に、地震に弱い地盤であったり、液状化などのリスクがある。そういったリスクを避けたいので、立地がいい場所にある中古物件を選択していると思います。
売り手のオーナーは強気の価格設定をするとともに、さらなる上昇を見越して物件を出し渋る動きもあるといいます。
首都圏全体では前月比横ばいの4629万円でした。(坪単価218万円)都県別では東京都が0.8%高の6532万円(坪単価308万円)、神奈川県は0.3%高の3610万円(坪単価170万円)、埼玉県は0.9%高の2903万円(坪単価137万円)、一方で千葉県は0.8%安の2693万円(坪単価127万円)でした。
もっとも神奈川県、埼玉県、千葉県は前年同月比でみると、それぞれ1.6%安、4.3%安、4.0%安と振るわない。サラリーマン世帯など実需層が買い求める関東近郊では在庫が積み上がり、価格調整の動きもあるといいます。
東京カンテイによると、6月の流通戸数は都心6区が3127戸と前月より72戸減りました。東京23区も1万3017戸と前月より180戸少なく、4カ月連続で減少しています。
東京カンテイの高橋雅之主任研究員は、中古マンション市場について「買い手が投資家か実需層かによって違う値動きを見せています。各国の金融政策を踏まえても円安が続きそうで、年内は海外や国内の投資マネーによる東京都心の中古マンション価格上昇が続きそうだ」と指摘します。