日本銀行は物価上昇率がゼロに戻る可能性は低いとの認識を示し、今後も段階的に政策金利を引き上げていく姿勢を示しています。政策金利はすでに0.75%に達し、2026年はさらに0.25〜0.5%程度の追加利上げが行われる可能性もありそうです。このような環境下で、中古マンション市場にはどのような変化が生じるのでしょうか。
成約価格と在庫価格が示す市場実態
首都圏の中古マンション価格は、全体としては上昇基調にあります。しかし、成約価格と在庫価格を突き合わせると、東京23区中心部と東京以外の郊外では明確に異なる動きが確認できます。
中心部では成約価格が在庫価格(売り出し価格)を下回る傾向が続いており、売り手の価格期待は高いものの買い手は冷静に交渉し、値引きを経て成約に至っています。これは不動産市場では一般的な構造であり、無理な価格設定をしなければ、物件は売却可能な状態にあることを示しています。
一方、郊外では成約価格が在庫価格を上回るという一見逆説的な現象が観察されます。これは立地や管理状態、価格条件がそろった一部の物件だけが成約し、それ以外は売れ残っているため成約が「条件の良い少数の物件」に集中していると考えられます。郊外ではすでに売れる物件と売れない物件が明確に選別された市場になっているのです。
金利上昇、住宅需要を抑制
金利上昇は住宅ローンを通じて需要を抑制します。仮に1億円を35年で借り、変動金利が0.5%から1.0%に上昇した場合、月々の返済額は2万2700円強増加します。この金額自体は致命的とまでは言えないものの、「今後さらに金利が上がるのではないか」という不安は無理をして購入する行動を抑制する要因となります。
一方、固定金利(フラット35)は約2%前後まで上昇しており、月々約33万円返済額は重くなるものの将来の金利リスクは回避できます。ただしこの水準を受け入れられるのは、自己資金や所得に余裕のある層に限られます。その結果、変動金利は将来の金利リスクが不安、固定金利は足元の返済負担が重いとして、購入自体を見送る層が特に郊外市場で増えやすくなると考えられます。
価格暴落の可能性低く
では金利上昇によって平成バブル崩壊時(土地神話)のような価格暴落が起きるのでしょうか。筆者はその可能性は低いと考えています。平成バブル期の不動産価格暴落は金利上昇を引き金として中心部の賃貸不動産価格が下落し、担保割れと賃料収入の低下で利払いすら賄えない状態が同時に発生したことが原因でした。返済不能に陥った案件が続出し、慌てて売却せざるを得ない状態となり、投げ売りが連鎖した結果、価格が暴落したのです。
しかし現在は状況が異なります。中心部の物件は賃料上昇以上に価格が上昇しているため利回りが低下していますが、投資の側面では金利上昇後も利払いをなんとか賄える状況です。実需の側面では利回りよりも資産性や希少性が重視されており、金利上昇が直ちに売却圧力につながる構造にはなっていないと思います。
中心部や駅近、管理状態の良い物件は所得や自己資金が多い購入者が需要層の中心であり、金利上昇に対する耐性は相対的に高いとみられます。価格トレンドが大きく崩れる可能性は低いでしょう。
郊外は物件格差が広がる
以上から中心部・好立地物件の価格トレンドが大きく崩れる可能性は低く、緩やかな上昇傾向を維持すると考えています。一方、郊外の中古マンション価格は下落というよりも、金利上昇局面では横ばいトレンドがより強まる可能性が高いでしょう。無理に購入するという意欲が削られることで売却までに時間はかかりますが、返済不能に陥るケースは限定的なため、全体として成約価格そのものが大きく下がることはないと考えています。ただし条件の劣る物件をスピーディーに売るためには、従来以上の値下げが必要となるでしょう。
2026年は、日銀の政策金利上昇の住宅ローン影響は、4月以降に金利上昇なる見込みで、ユーザとしては、金利が高くなった分、物件価格を下げて欲しいと要求の交渉が、増えてくると思われます。
2025年までは、売り手市場があたりまえのような感じでしたが、これからは販売日数も伸びるてきますし、エンドユーザはじっくり選んでくる買い手市場になる、ただし、日銀は政策金利をさらに上げるから、早く決めて住宅ローンの支払いをした方がいい選択肢の可能性もあります
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