日経新聞からの記事なります、「沸騰・都市開発」シリーズになります、2020年に発生した新型コロナウィルスの感染拡大で、働き方改革、最近の言葉でDX (デジタルトランスフォーメンション)で変わる都市というテーマでみていきます。ウィズコロナとどうマッチしていくのか?
大きく3箇所の都市開発の姿をみていきます 3日間にわけて解説していきます
竹芝周辺・東京駅周辺・神谷町と虎ノ門周辺になります
竹芝と言ってもなかなか分かりにくいと思いますが、住所では、港区海岸になります、JR浜松町駅が最寄駅です ほんとうにびっくりするぐらいの都市開発と街づくりが、すすんでいます!
竹芝~ウオーターフロントからスマートシティーへ
高度経済成長期には倉庫街として日本の物流を支え、平成初期は、都心のウオーターフロントとして注目された竹芝になります。DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の今、スマートシティーの先頭ランナーを走るエリアになります。時代とともに姿を変えてきた街は、新常態(ニューノーマル)に適応した街づくりのモデルになるか。
「最先端テクノロジー」が実装された竹芝が、「スマートシティー」の先端都市として東京の国際競争力をよりいっそう高めることができる」。東急不動産の岡田正志社長は確信をもってこう話します。2020年9月14日、ソフトバンクグループとソフトバンクの本社が、移転するスマートビル「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」(東京・港、地上40階地下2階)が開業しました。
東急不動産と鹿島が手掛ける再開発事業「東京ポートシティ竹芝」の基幹を担うタワーで、スマートシティー竹芝の核となる。このビルをスマートビルたらしめるのがリアルタイムデータの活用です。人工知能(AI)やIoTでビル内外の人の流れに関するデータや環境データを収集します。ビルには、3DカメラやAIカメラなどの1000台を超える最先端装置が張り巡らされています。
入居企業の従業員はアプリで様々な情報を見られます。エレベーターホールの階数と出勤時刻を指定すると、混雑や余裕などの4段階で表示され、AIがお薦めの出勤時刻を提案、密を避け、ストレスをなくします。店舗やトイレの混雑もわかります。東急不動産の都市事業本部の仲神志保・ビル事業部部長グループリーダーは「ウィズコロナ時代にもマッチし、待ち時間のない効率のよい働き方ができる」と話します。
店舗もデータを活用します。ビルのどの入り口からどのぐらい人が来たのか、今どのぐらいの人がビルにいるのか。施設全体の傾向や店ごとの利用者データを分析しリポートを店に提供することで売り上げ予測や在庫管理最適化、販売促進につながります。ビルには、約30カ所のデジタルサイネージが設置され、オフィスワーカーでない来館者も飲食店の空席情報などの様々な情報を受け取れます。
効率的なビル管理も行います。事前に不審者の顔を登録すれば、AIカメラが警報を出すほか、人口密度を可視化し迅速な警備員の対応が可能です。トイレの利用状況やごみ箱の残容量も可視化し、適切な頻度で必要箇所の無駄のない清掃ができます。
「スマートビル」に求められる価値は変化しました。従来スマートビルといえばエコ・省エネだったが、今は、オフィスの快適性も重要です。東急不動産では、1000件にも上る入居テナントを対象とした独自アンケートを実施。エレベーターの待ち時間やランチ時の混雑などの課題が浮き彫りになりました。
「人が集中してもストレスが残らない街をつくる」と話すのは東急不動産の都市事業本部スマートシティ推進室の田中敦典・室長です。気象や交通情報などのオープンデータと地域固有のリアルタイムデータを一元管理することで「最適な行動を街側から促し行動変容も可能にした」(田中氏)。偶然にもウィズコロナ時代にマッチしました。
ソフトバンクの宮内謙社長は「今後このデータ活用の取り組みを街全体に広げ、「スマートシティー」を実現する」と話します。例えば、来館者は、「東京ポートシティ竹芝」にいながらも竹芝の別の施設の混雑状況もわかり選択の幅が広がります。施設の店側にとってはどのぐらいの人が街をどう移動しているのかは重要な情報です。
海だった竹芝の歴史は、約100年前に遡る。(昭和2年)1927年に旧芝離宮恩賜庭園より東側の海が埋め立てられ竹芝町として誕生。現在は、海岸通一丁目に名称を変えましたが、施設名称などに竹芝が残ります。浜松町も小さな漁村でした。
1970年代は、高度経済成長期には倉庫街として栄え、約30年前の平成初期には、「都心のウオーターフロント」として注目されました。今は、ウオーターフロントという言葉は使わなく、港区の湾岸エリアと言っております
倉庫のいくつかは、ディスコやライブハウスに転換されました。隣接する芝浦では、今や伝説のディスコとなった「ジュリアナ東京」が若者を引き寄せていた時期もありました。1990年のバブル崩壊とともに、こうしたブームは終焉(しゅうえん)、元の静かなエリアに戻った。都の施設もあったが、夕方に閉館し活気がなかっです。建物の老朽化が進み、2011年の東日本大震災の影響で防災が求められた。今回のプロジェクトは2013年に始まり、都有地を約70年間借り受けて開発がスタートしました。浜松町駅から竹芝駅の間で再開発をしていたのは、知っていましたが、実際完成した「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」ただビルを建て替えだけでなく、街全体を変えた感じがいたします これをスマートシティと呼ばれていくことを知りました。
再開発は、「東京ポートシティ竹芝」だけではない。JR東日本は浜離宮恩賜庭園の前に「四季劇場」やホテル、商業施設を整備した複合施設「ウォーターズ竹芝」(東京・港)を20年4月から順次開業。浜松町駅西側には「世界貿易センタービルディング」(同)の建て替えを含め複合ビル5棟が建設され27年末の開業予定。152メートルの超高層ビル解体は過去最大で、オフィスやカンファレンス施設が入ります。
野村不動産もJR東日本とともに芝浦一丁目地区の大規模複合開発を推進しています。2031年3月までに東芝ビルディングなどの約4万平方メートルの敷地にオフィスや商業、ホテル、住宅などが入る地上40階超の2棟を竣工します。野村不動産の芝浦プロジェクト企画部の四居淳・副部長兼企画課長は「竹芝、芝浦、浜松町を1つのゾーンとして捉え、約10年で連続的に完成する再開発が、起爆剤となります。この3つのエリアで連携していく」と期待しています。この周辺の不動産価格も大きく変わっていくと予測されます
「東京ポートシティ竹芝」の隣では、300戸超の大規模マンション「イトーピア浜離宮」(同)の日本最大級の建て替えも2023年に完成予定です。竹芝は活気を取り戻し始めた。以前もほんとうにさびれていたイメージです。
竹芝が注目を集めるのは水辺に近い風光明媚(めいび)な景観だけではないです。海に面した竹芝は日本の空の玄関である羽田空港とも近く、近くの品川駅はリニア中央新幹線の開業を控えます。日本のビジネスセンターである丸の内や大手町にも近く、将来は陸海空のゲートウエーとなる可能性を秘めているからです。
エリア全体でデータを収集し、街づくりに生かす必要性は、宮内社長も意識している。今後は、ソフトバンクと佐川急便による自動走行ロボットの配送サービスの実証実験も予定しています。「あと1~2年ぐらいの内には、スマートシティーと言えるような世界になってくると思う」と語ります。竹芝では、多種多様な企業や大学が参加し研究開発や人材育成、起業支援などの様々な活動を行う「CiP協議会」もあり、連携も視野に入っています。
東急不動産は、竹芝が大手町や丸の内、有楽町などの都心の他のエリアに比べ事業者や地権者の影響が少なく、自由でオープンな議論ができることもスマートシティーへの後押しとなっているとみています。
ただ課題もある。ひとつは防災だ。海に面しているということは、大地震の際に津波や浸水の被害を受けやすいということだ。東日本大震災における津波の甚大な被害、大型台風による河川の氾濫などに高層建築物が意外にもろいことは、過去の事例が物語ります。
「東京ポートシティ竹芝オフィスタワーは防災対応力も備える」と関係者は語ります。地震に強い構造のほか、非常時には非常用発電機や、電気をつくる際の熱を冷暖房や給湯に利用できる設備で5日間の電力供給ができます。港区は、津波からの緊急避難施設として津波避難ビルを区内に設けているが、同タワーも民間として初めて指定され、入居企業の事業継続性もサポートできます。
もうひとつはエリア間競争です。陸海空のゲートウエーを目指すのは竹芝ばかりではないです。近くの品川・高輪エリアでも、JR東日本が「高輪ゲートウェイ」駅開業を機に大規模な複合再開発計画を打ち上げています。こうした隣接エリアとの地域間競争に打ち勝つだけの魅力をどのように高めていくかも問われそうだと、東急不動産、野村不動産、鹿島のプロジェクトリーダーが言っております。さらに大手3財閥には、負けないために、竹芝「スマートシティー」を完成させてアピールしていきたいと言っております。