住宅を購入するにあたって、親から援助を受ける方は少なくありません。
決して安くはない金額のため、親と言えど頼み辛いと思っているのではないでしょうか。
しかし、援助を受けられることになった場合、たとえ親でも「贈与税」というのがかかってきます。
そこで今回は、住宅購入で親から援助を受ける際の頼み方や、非課税となる対象額、援助を受ける際の注意点についてご紹介いたします。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら住宅購入時に親から援助してもらうときの頼み方
住宅購入で親から援助を受けられると、住宅ローンで借りる額も少なくなるため自己負担額も大きく減るでしょう。
そこで、どうやって切り出そうか悩んでいる方へ、親から援助を受けられる頼み方を3つご紹介します。
間接的に頼む方法
住宅購入を検討していることを知ってもらうため、パンフレットを見せたり、モデルルームを一緒に見に行くのもおすすめです。
また、気に入った物件があれば実際に見てもらうことで、生活環境のイメージもしやすくなります。
そうすることで、自然に知ってもらうことができるため、言いにくいお願いをしなくても支援までの流れがスムーズに進むでしょう。
孫を出して頼む方法
おじいちゃん、おばあちゃんにとって孫は可愛いものです。
孫が「自分の部屋がほしい」と言ったら叶えてやりたいと思うのがおじいちゃん、おばあちゃん。
また、検討している家が実家近くなら「子どもがおばあちゃんのお家の近くが良いと言ってる」と言うのも一つの手です。
子どもが一緒にいるときに頼むのが効果的だと考えられます。
単刀直入に頼む方法
一番手っ取り早いのは、「援助してほしい」と単刀直入に頼むことです。
間接的に頼むよりも話が早く進むため、思い切って話してみることをおすすめします。
しかし、自分の実家には頼めても、相手の実家に直接交渉するのは気が引けます。
そういった場合は、お互いがお互いの親と交渉してみると良いでしょう。
どちらか一方の支援が決定している場合、それも交渉材料として頼むのも一つの手です。
以上3つの方法をご紹介しましたが、実際スムーズに話が進んだケースも多いため、一度はたらきかけてみてはいかがでしょうか。
住宅を購入することでどのようなメリットがあるのかも伝えてみると良いでしょう。
また、資金を支援してもらえることは決まったものの金額次第といったところもあるかと思いますので、実際に援助を受けた方の平均金額についてご紹介します。
平均金額
住宅購入時に親から援助を受ける際の平均金額は、不動産流通経営協会によると新築の場合だと861万円、中古の場合だと767万円となっております。
割合は75.1%と意外と多くの方が援助を受けていることがわかります。
ただし、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を対象に調査された結果であるため、かなり高額の平均金額となりましたが、無理のない範囲での金額の相談をしましょう。
住宅購入時に親から援助を受ける際の非課税限度額
親から援助を受けると、「贈与税」を納付しなければなりません。
しかし、1年間に贈与を受けた額が110万円以下であれば、「還暦課税制度」と言い基礎控除の範囲内であるため非課税となります。
もし、110万円を超える贈与を受けた場合は必ず申告しましょう。
ここで確定申告をしておかなければ、特例が受けられなくなるため注意が必要です。
特例とは、110万円を超える贈与を受けた場合でも、条件を満たした際に2つの特別措置が適応されるというものです。
住宅取得等資金贈与の非課税特例
父母、祖父母などの直系尊属から、住宅購入にあたって贈与を受けた際に最大3,000万円までの贈与税が非課税の対象になるという特例の制度です。
しかし消費税が10%になったことによる特別措置であり、今となっては10%の消費税が浸透してきたため、2022年度より非課税限度額が1,000万円に改正されることになりました。
限度額だけでなく、適用期限が2023年12月31日まで延長されたり、受贈者の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。
これから購入する方は2022年度に改正された条件を見直しておくことをおすすめします。
相続時精算課税制度
贈与を受ける受贈者は、贈与額の累計が2,500万円までは非課税の対象になる制度で、上記の特例とも併用可能となっております。
ただし、贈与者が亡くなり相続が発生した場合、相続財産と贈与財産を加算した相続税額を納付しなければなりません。
住宅購入時に親から援助を受ける際の注意点
親や祖父母からの贈与であっても、いくつか注意しなければならない点があります。
申告が必要
年間での贈与額が110万円以下なら申告する必要はありません。
しかし110万円を超える場合、たとえ手渡しであっても申告漏れがあると、税務署の調査が入るため高確率で発覚します。
税務署は個人の銀行口座を調査する権利を与えられた組織であるため、お金の動きが少しでも不自然だと判断された場合、追加徴税を納めなければなりません。
また、住宅取得等資金贈与の非課税特例を利用し贈与額が0円となった場合も、申告する義務があります。
申告をしていなければ、税務署に特例制度を利用していることまではわからないため、申告し特例を適切に利用していることを証明しておかなければなりません。
こうならないためにも、贈与額が110万円を超える場合は確定申告をおこないましょう。
契約書を作成
親や祖父母からの援助であっても、「贈与契約書」を作成しておくことをおすすめします。
税務署の調査が入った場合、正確な贈与額を証明するための大事な書類となります。
何年も贈与を受ける際は、その都度契約書の作成をしておく必要があり、これを怠ると税務署より追加徴税を課せられるかもしれません。
また契約書を作成するにあたり、贈与者と受贈者それぞれの署名と捺印が必要になるため覚えておくと良いでしょう。
相続問題
援助してもらうとメリットが大きく感じますが、親が亡くなり相続が始まると困る点も出てきます。
まず親の家を相続するとなった場合、「小規模宅地等の特例」が使えません。
小規模宅地等の特例とは、敷地の330㎡までなら80%評価額を減額できるという制度です。
しかし条件がいくつかあり、その内の1つに「相続開始時までに持ち家に住んだことがないこと」とあるため、支援を受け住宅を購入している場合は使えません。
次に自分以外の相続人候補がいる場合、遺産分割で揉めるケースも出てきます。
親から支援を受けていたのが自分だけだった場合、特別受益と判断され、他の相続人より相続できる財産が減ることがあるため注意が必要です。
さらに相続時精算課税制度を利用している場合、二度と還暦課税制度に変更することはできません。
そのため110万円以下の贈与であっても申告する必要があり、2,500万円を超える場合は一律20%の贈与税を納める義務があります。
これらの注意点をしっかり理解したうえで、親の贈与を受ける際は適切な制度を利用するようにしましょう。
まとめ
住宅購入にあたって、自ら資金援助を頼んだり親から話を持ちかけてくれたりと、7割以上の方が親からの援助を受けています。
援助を受けられる場合の金額は家庭ごとに異なると思いますが、非課税の限度額を十分理解しておくことが大切です。
また、申告漏れのないよう適切な制度を利用し節税対策を心がけましょう。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら