中古マンション、東京都心以外は売れていない二極化状況(日経新聞記事より)
2024-10-09
埼玉県や千葉県、神奈川県で中古マンションの価格下落が鮮明になっています。高騰が止まらない東京都心の物件とは対照的に周辺3県は前年同月比では10カ月連続でマイナスとなって、在庫物件も過去最多に積み上がっています。都心の価格上昇に引っ張られて高額になりすぎたことに加えて、住宅ローン金利の上昇への警戒も重なって需要が鈍っています。 不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、3県の中古マンションの平均価格は、季節的な要因を抑えた前年同月比でみると、2023年11月から直近データの24年8月までマイナスが続いています。 専有面積70平方メートル換算で、8月は埼玉県が前年同月比3.2%安の2916万円、千葉県が3.4%安の2679万円、神奈川県も0.4%安の3646万円となっている状況です。 各県の主要な駅周辺はまだ買い手がつきやすいが、離れると相場地合いは弱い状況です。例えば埼玉県ではJR「大宮駅」周辺の物件が9月末でみると前年比17.5%高だが、隣駅の「さいたま新都心駅」は3.3%安となっています。 神奈川県もJR「横浜駅」周辺は12.2%高だが、人気エリアとされているはずの近隣のJR「桜木町駅」やJR「関内駅」は、それぞれ2.9%安と2.4%安に落ち込んでいます。
東京都心でのマンション相場の高騰を背景に、周辺エリアの所有者も強気の値付けで売りに出したものの、好立地でないと簡単には買い手がつかない状況になっています。さらに新築物件が近くで供給されれば、中古マンションは魅力がかすむ状況です。 在庫は過去最多 在庫として市場に滞留する物件は増加傾向です。東日本不動産流通機構(同・千代田)のまとめによると、8月時点で埼玉県の在庫物件は5658戸、千葉県は4459戸、神奈川県は1万1620戸。3県合計は、前年同月比12%増の2万1737戸。データを公表している 2002年以降で、最多になっています。
東京都心部は資金が豊富にある海外投資家や富裕層が買い手のメインとなる市場である一方、周辺県は一般の実需層が主な購入者になります。
建築コストの増大や東京都心の物件の高騰を受けて周辺県では2020年以降、値上がりが続いてきました。だが、2023年に入って神奈川県で3500万円超、埼玉県や千葉県では3000万円近辺になると、価格上昇の勢いが鈍り、同年11月に3県そろって前年比でマイナスに転じています。
2024年3月には日銀がマイナス金利を解除しました。金融機関が住宅ローン金利の引き上げに動くとの見方が強まると、さらに売れ行きが鈍りました。
ニッセイ基礎研究所の佐久間誠主任研究員は「金利の上昇で実需の購入力がそがれる。それ以上の賃金上昇が実現できれば問題ないが、そのような企業に勤める人は限られる」と説明します。
都心は上昇止まらず
一方、東京都心の中古マンションは価格上昇の勢いが止まらないです。東京カンテイの高橋雅之主任研究員は「ローンを組まずに、キャッシュで買う人たちが多く、金利動向に左右されにくい」と話します。
東京23区の中古マンションの2024年8月の平均価格は、専有面積70平方メートル換算で7750万円です。前年同月比10.2%と高い上昇率になっています。特に人気の都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)は22.3%高の1億2756万円と、多くの人には手の届かない価格になっています。
主に港区と渋谷区の物件を外国人に仲介するハウジング・ジャパン(東京・港)の橋本光央代表取締役は「まだ為替相場が円安とみている海外の人たちは多い」と指摘します。都心物件への興味は依然高く、「今後も取引量は増えるだろう」と話します。
不動産仲介大手、東急リバブルの営業担当者は「都心部と周辺県との価格差は開いた状態が続くだろう」とみています。
東京都心とそれ以外の二極化が進んでいる感じです。都心が上がっているからとその影響で、中途半端な周辺物件が値段を上げても買い手が、付かずに売れていない状況が鮮明になってきています。東京都心の価格上昇に引っ張られて高額になりすぎていると、我々が扱っている横浜市中区、西区、神奈川区、港北区などは感じています。売り出しから時間かかっているなと感じます。さらに10月から住宅ローン金利上昇がはっきりと感じましたので、変動金利の基準値が17年振りに2.625%と0.15%上昇しました。こういったことの警戒も重なって需要が鈍っているように感じます。
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