首都圏マンションは、米半導体大手NVIDIAより割高か
2025-05-07
首都圏のマンションを投資対象としてみた場合の割高さが増しています。新築価格を年間の賃料収入で割った「PER(株価収益率)」は2024年時点で約30倍まで上昇し、過去最高を更新しました。米半導体大手のエヌビディア(足元で24倍)を上回る水準です。物件の収益性を超えて買い上げられた相場はいつまで続くのでしょうか。 PERは主に株式投資で割高・割安の判断に使う指標です。企業の株価を予想EPS(1株当たり利益)で割ることで株価が利益水準の何倍まで買われているかをみます。例えば日本株ではソフトバンクグループの予想PERが2日時点で23.3倍、トヨタ自動車は8.0倍だ。エヌビディアは増益と株価調整が重なり、この1年で30倍台から24.2倍まで下がっています。
不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)は、マンションの販売価格を年間の賃料で割って「マンション版」のPERを算出しています。5月7日発表した2024年時点の新築マンションPERは首都圏で28.93倍と前年の26倍から上昇し、過去最高を更新しました。リクルートホールディングスやエーザイとおおむね同水準で、三菱地所(18.3倍)など大手不動産株を大きく上回ります。
新築マンションPERが前年比で上昇するのは5年連続です。過去は20倍程度での推移が多く、不動産の「ミニバブル」と呼ばれた2008年でも22倍どまりだったです。マンションPERは投資対象としてマンションを見た場合「何年で初期投資を回収できるか」の尺度ともいえ、PERの上昇はそれだけマンション投資のうまみが薄れていることを示します。
PERは分子の物件価格が上がるか分母の賃料が下がれば上昇します。足元では賃料も伸びているがそれをしのぐペースで新築価格が高騰し、PERを押し上げています。2024年の首都圏の分譲マンションの平均賃料(70平方メートル換算)の前年比伸び率は3.2%だった一方、新築マンションの平均価格(同)は17.7%上がり、初めて1億円を超えています。
賃料相場以上に新築価格が上がっているのは、マンションに住む実需以外の買い手も多いためです。ニッセイ基礎研究所の佐久間誠主任研究員は「地方から首都圏に人口が流入し住宅需要が強まっているうえ、海外投資家や国内富裕層の投資資金もマンション相場の上昇に一役買っている」と話します。
駅別でみると、最もPERが高いのは、港区白金高輪の53.07倍です。首都圏平均と比べて投資回収に24年以上も余計にかかる計算です。PERとは逆に賃料を物件価格で割った利回りは年1.88%と、20年物の日本国債(約2.2%)よりも低いです。そのほか港区表参道(51.95倍)や港区麻布十番(44.05倍)など都心の人気エリアがPER上位に並びます。
新築が割高なら中古で、ともいかなくなってきている状況です。首都圏の中古マンション(築10年)のPERは28.87倍と、新築(28.93倍)と変わらない水準です。かつては20倍を大きく下回る年も多かったが、このところのマンション投資ブームで中古物件にも買いが向かい、PERは過去最高を更新し続けています。
中古のPERが新築を上回るエリアも出てきています。例えば港区麻布十番は、新築が44.05倍だったのに対し中古は53.25倍に上昇しています。港区神谷町や渋谷周辺などでも中古の方が割高です。新築マンションの供給が少ない地域ほど中古に買いが向かい、「逆転現象」が起きやすいという状況です。
マンションPERは投資だけでなく「マンションを買うか、借りるか」の判断材料にもなります。例えばPERが40倍の千代田区神田で新築マンションを買う場合、今後40年分の家賃を初期投資として払う計算になります。そこに住宅ローンの利払いや大規模修繕などの負担も加わるうえ、40年住み続ければ経年劣化も避けられないです。それなら同じ賃料を払って築浅の賃貸物件を数年おきに住み替えるというのも手だろうとも考えられます。
株式市場では、PERが過去のレンジを超えて高騰すると株価が下がるか利益が増えるかで調整するのが常です。分譲マンションの場合はどうか。東京カンテイの高橋雅之上席主任研究員は「分譲マンションPERの調整は避けられないが、物価上昇で生活者の懐は厳しくなっており、ここから一層の賃料上昇は見込みにくい」として、新築価格の下落がPERを押し下げるとの見方を示しています。
今後の流れとしては、大手企業は人材確保、獲得のためにあたらしいオフィスを丸の内、大手町、日本橋界隈のエリアの立地に求めています
「住職近接」を求める人たちによる周辺のマンション人気も引き続き当然に高まります
通勤ストレスを減らし、家族との時間を守れる立地に住むという選択肢がマンション需要を後押ししていく流れは止まらなく、人気オフィスが強い街に隣接している住宅価格はこれからも底堅いと思います
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